タイルの種類(4)
|タイルの豆知識久しぶりの更新です。
今回は、タイルの表面に施す 「釉薬(うわぐすり)」 についてご紹介します。
釉の有無と種類
1)無釉(むゆう)と施釉(せゆう)
タイルの表面に釉薬が施されているものを 「施釉タイル」、釉薬の施されていないものを
「無釉タイル」といいます。
●無釉タイルの色
無釉タイルの色には、粘土自体に含まれている鉄分などの呈色によるもの(土もの)と、
白色の素地に顔料(酸化金属など)を添加配合して着色するもの(練り込み)があります。
●施釉タイルの色
施釉タイルは、釉薬に含まれる顔料により表面の色を作ります。素地別に見ると、白い素地の
ものに釉薬を施したものと、鉄分などを含んだ有色素地のものに釉薬を施したものとがあります。
前者は内装壁タイルや施釉モザイクタイルなど色を揃えることを必要とするものに多く、後者は
窯変釉や不透明釉などを施した外装壁タイルに多く使われています。また、素地に顔料を添加
してつくったタイルの表面に透明な釉薬を施したものもあります。
2)主な釉薬の種類と特徴
●透明釉
釉薬の基本的なもので、石灰釉、亜鉛釉などの呼び名がありますが、無色透明な釉薬。
●結晶釉
釉薬の一部が熔融状態から冷えていくとき、結晶を析出するようにしたもので、鉄や亜鉛などが
使われることが多い。
●マット釉
微細な結晶や気泡を生ずるようにした釉薬や、半融状になるよう調合されたつや消し釉薬。
●なまこ釉
二重掛けの釉薬で、下釉の上に類似の釉薬を上掛けし、釉薬の流動によって斑紋や流紋が
あらわれたもの。
●貫入釉
釉薬と素地との焼成中の収縮率を変えて、釉薬の全面にひびが入るようにしたもの。
●ラスター釉
虹彩を発するようにした釉薬を700℃程度でタイル表面に焼きつけたもの。
ほかにも各種の手法がある。
参考・引用文献:タイル手帖:(一社)全国タイル業協会